ファンダメンタル分析
ファンダメンタル投資の教科書の備忘録
倒産の危機を測る
下記を見る
- 自己資本比率
- 純資産のうち自己資本の占める割合
- 自己資本は貸借対照表純資産の部、下記の累計
- 株主資本
- 利益剰余金
- その他の包括利益累計額
- 20% 以下はリスクがある
- 自己資本比率未記入は自己資本がマイナスのため計算できない事を示す
- 有利子負債
- 貸借対照表の負債項目のうち、利子を支払わなければならないものの事
- ⇒ 借入金や社債の事
- 倒産原因の 1 つは借金を返せなくなる事なので有利子負債が多額だと倒産リスクは高い
- ただし、キャッシュ(現金同等物)をそれなりに保有していれば資金繰りに支障をきたす恐れは少ない
- 現金同等物が有利子負債の60%程度であれば倒産リスクは高くないと言える
- 貸借対照表の負債項目のうち、利子を支払わなければならないものの事
- 現金同等物
- 現金・当座、普通預金等の換金が容易なもの
- CF 計算書における「現金及び現金同等物の期末残高」の金額
- 営業キャッシュフロー
- 本業によって稼ぎ出したキャッシュ
- 本業でキャッシュが獲得できている事を示しているのでプラスであれば業績面から見ても好ましい状態
- 営業CFがマイナスという事は、損益計算書で言えば営業赤字と同じ、本業でキャッシュを稼がないといけないのに逆にキャッシュが減ってしまっている良くない状態
- 鉄鋼・化学・半導体など、業種によっては景気変動の影響を大きく受けて営業CFが必然になる場合がある
- 投資キャッシュフロー
- 設備投資・株式の取得等の投資活動によって生じる
- 企業は設備投資をするので通常はマイナスになる
- 株式、固定資産の売却をすればプラスになる場合もある
- 財務キャッシュフロー
- 借入や社債発行、増資、配当金の支払い
- 新規借り入れ、社債発行はキャッシュが入ってくるのでプラスになる
- 借入の返済をするとプラスになる
- プラスの場合は後日返済が必要なものなのか?借入理由は前向きなものかを調べる。
- 利益剰余金
- 当期純利益が貸借対照表の利益剰余金になる
- 貸借対照表の純資産の部に計上されている過去の利益の蓄積の事
- これが高いと多少の赤字にも十分耐えられる体力を持っている
- 総資産の30%の利益剰余金があれば、十分に優良と考えられる
- 利益剰余金がマイナスの場合は「累積損失がある」とか「欠損金がある」と言う。この場合、資産 < 負債になる債務超過に陥る可能性もある。安全を重視するなら避けるべき。
- 資本金
- ざっくり言うと起業時の出資者が出資した金額
- 純資産
- 利益剰余金 + 資本金
- 負債
- 他人から借りた資産
- 資産(総資本)
- 純資産 + 負債
テクニック
- 10年分位の有利子負債と現金同等物の金額を比べ両社の差額が年々開いている場合は倒産リスクが上昇していると判断できる
- 有利子負債が0でも現金同等物が減り続けている企業は安全性の面で疑義がある
- 営業CFのマイナスが1期だけであれば目をつぶってもよい、しかし、2期以上続けて営業CFがマイナスの場合は、その企業の収益力に根本的な問題があるので投資対象から外した方が無難
- ⇒ 高成長の企業は下記理由により営業CFマイナスが2期以上続くこともある。勿論この場合でもリスクではある。
- 将来の売り上げに備えて在庫を積み増し
- 売り上げの伸びに売上金の回収が追い付かない
- ⇒ 高成長の企業は下記理由により営業CFマイナスが2期以上続くこともある。勿論この場合でもリスクではある。
- 配当金が無配ではないか?
- 監査法人が頻繁に交代していないかどうか?
- ⇒ 監査法人が交代するという事は何らかの問題が企業内に生じている可能性がある
TOB のリスク
TOBが発動すると過去に高い株価で勝ったまま塩漬けしていた持ち株で含み損が損失として強制的に実現されてしまう。
そうならないためにもオーナー企業や他の上場企業の子会社へ投資する場合は株価が下降トレンドになったら含み損が小さいうちに損切りをする。
- オーナー企業
- 経営者やその親族が大株主である企業のこと
- 他の上場企業の子会社
- 他の上場企業1社に50%超の持ち株を保有されている企業のこと
- 50%以下の場合でも子会社となるケースもある
- TOB : 株式公開買付け
- 投資家から株式を買い取り、非上場化する事
- 株価が低迷している時に実施されやすい。株価が低い方がTOBの買取価格を安く抑えることができるから。
- TOBが実施有れると既存株主は持ち株を売却しなければならない。売却しないでいると後日強制的に買い取られる。
財務大臣が大株主のリスク
- 財務大臣が大株主になるケース
- 会社相続で相続税を現金で支払えない場合に株式で支払うケース
- 旧国営企業
前者の場合は国がいつまでも株を持ち続けるケースは少なく将来の売りの圧力になる。
外国人・投信持ち株比率のリスクとメリット
- メリット
- これらの比率が高い程、優良企業として評価されていると言える
- 数%程度であればこれから評価されるであろうサインで大きく上昇する可能性がある
- 過去の四季報で外国人・投信持ち株比率の推移をチェックするのも有効
- cf. 新興市場は0%に近いものが多いのであまり参考にならない
- デメリット
- 数字が高い場合はこれ以上の外国人・投信からの買いは望めない
- 何らかの原因で彼らが売りに転じたら一気に価格が下がる
貸借対照表の見方
数値の前の△はマイナスを意味する。
前連結会計年度・当第三四半期連結会計期間
当第三四半期連結会計期間は前のページに2019年4月1日から2019年12月31日と定義してある。
前連結会計年度は決算短信の文脈的に前年度の全会計期間の事だと思う。
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- 資産の部
企業が持っている財産- 流動資産
1年以内に現金化される見込みのある資産。現金、預金、売掛金(= ツケで売った商品)、棚卸資産(= 在庫)など- 預け金
一時的に預かっているお金 - 前払費用
- デリバティブ債権
- 預け金
- 固定資産
長期保有する目的の資産。土地、建物など- 有形固定資産
- 無形固定資産
- 投資その他の資産
- 流動資産
- 負債の部
将来払わないといけない債務- 流動負債
1年以内に支払いが必要になる債務。買掛金(ツケで買った商品)、短期借入金 - 固定負債
支払いが1年以上先の債務
- 流動負債
- 純資産の部
- 株主資本
- その他の包括利益累計額
損益計算書
- 売上高
本業による収入 - 売上原価
売り上げを得るために要した費用 - 売上総利益
売り上げと原価の差額 - 販売費および一般管理費
商品を売るためにかかった経費 - 営業利益
本業により得た利益 - 営業外収益
- 受取利息及び配当金
- 持ち分法による投資利益
- その他
- 営業外費用
- 支払利息
- その他
- 経常利益
会社が正味得た利益
営業利益 + 本業以外の利益 + 税金などの経費
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